2009年8月2日日曜日

ちっちゃな手で…

先月のことになるけれど、自宅前のバス停からいつもの成城学園前に出るバスに乗ったときのこと。
小さな女の子二人姉妹?が、お年寄りなどが座るシルバーシートの横型のボックス席にデ~ンと座っていた。座っていたというよりも小さな子供二人では3人がけくらいあるシートは広すぎてちょっと収まり悪そうで、足を広げたりして、運転手さんから「ちゃんと座ってて下さいね」とアナウンスされるような状態だった。足の納まりの悪い子供たちは、なんだかわざと行儀悪い感じだったが、まだ小さいし、仕方ないかな、とも思って見ていた。

すると次のバス停で年配(多分70歳前後)の背が低く荷物を持ったおじさんがよたよたバスに乗ってきて、シルバーシートの前に今にも「座らせて」といわんばかりの雰囲気で立った。子供たちに言葉に出していいかけたのだが、遠慮して声にはならなかったのだ。ついに私が見兼ねて、「みんな、おじさん来たら足をきちっとして。間を空けて。」と言い放った。おじさんは遠慮深く「いや、いいですよ」とおっしゃってくださったのだが、でも私は、「いえ、これは教育ですから。ちゃんとさせないとだめですから」というと、おじさんは子供たちに向かって「教育なんだって…」と照れくさそうに子供たちの間に座らせてもらっていた。おじさんは今時めずらしいほど謙虚で控えめな方だったのだ。

その時の子供たちというと、実は、とても素直で、最初に行儀悪いなと思った印象とは打って変わって、たった一言の呼びかけですぐ言われた通りに行動して、まるで清清しい体操の時間のような空気になっているのだ。「こんなに素直なんだ、言い方きつくなかったかな」とそんな躊躇を心の中でしていると、程なく終点の成城学園前の駅についた。

降り際に子供たちの顔をみると、小さい女の子(4歳、5歳?)の方がこちらの顔を見上げて、小さな手を振って「バイバイ!」って言ってくれたんだ。

そう、子供たちは決して大人のいうことを聞かないわけではないんだ、正しいことをしたら気持ちが良いっていうことを知っているんだ。その証拠に、小さい女の子の目は、正しいことが出来て嬉しかったよ、おじさんに席を空けてあげられて嬉しかったよ、と言っているかのように瞳が輝いていたんだ。

こちらも笑顔で振り向いて「バイバイ。またね!」って言ってあげた。
素直に自分が行動できたことが子供たちは嬉しかったのだと思う。大人はやはり無関心ではいけないね。心からその子をよくしてあげたいと思ったら、注意を払って、親が見ているとか、自分の子供じゃないからとか関係ないんだと思う。子供は自分がきちんとできることが嬉しいのだから。その方法を知らなくて困っていただけのことなんだから。今日も明日も良い出会いがありますように☆

子供たちの素直さに感謝☆★☆