2013年11月13日水曜日

終わりなきタリバンの爪痕(バーミヤン遺跡について)


タリバン(ムスリム原理主義)によって破壊されたバーミヤン遺跡についてですが、ドイツの専門チームが中心になって修復という方向で進んでいました。ところが、仏像に足をくわえようとするなどの誤った仏像解釈にユネスコから待ったがかかりました。

現在では、遺跡の修復に対し、どこまで手を加えるのかという議論とともに、野蛮なタリバンの行為に対して「何もすべけきではない」という意見もでています。

特にこの提言を行っているのは、2体の仏像が破壊された直後、最初にバーミヤンを訪れた調査団のひとり、画家の平山郁夫先生でした。

その外観から以前あった仏像を心で感じ取り、平山先生の筆にはしっかりとその仏像の姿を描くことができたそうです。

平山先生の意見はいま、「歴史の一幕に手を加えるべきではない。遺跡をとおして、後世に語り継がれていくべきである」とユネスコに対して訴えておられます。

私も、平山郁夫先生の考えに賛成です。歴史的事実は事実として、人類が受け止めていくべき負の遺産だと思うのです。

タリバンの行為は、憎むべき行為ですが、そのことから後世や現世に生きる人間たちが何を感じ取っていくことができるのか。私たちに与えられた大きな宿題だと思っています。