今日は、埼玉は東北線に乗って、ある媒体の取材で浦和を訪れた。
訪れたのは、浦和駅西口から徒歩で約10分、明治23年に建てられた
納屋を改装し18年前にオープンした純日本喫茶・ギャラリー「楽風」
(らふ)である。
もう少し早ければ満開の桜並木の下を通って喫茶兼ギャラリーに辿り
着けたのだけれど、それでも晴れた日に、涼やかな緑の木の下を歩く
気分は壮快だ。
店内は、木のぬくもりを活かした空間で地元の作家の陶磁や木工製品
などが並ぶ落ち着く空間だ。
10種類以上ある茶葉の中から選んだのは、「ぐり茶」と呼ばれる煎茶
で、仕上げの揉みの行程を一つ省いたお茶だ。どういう意味があって
そういう飲み方を始めたのかは知らないが、それでも初めて味わった
「ぐり茶」の味はまろやかで実に爽やかな余韻を残すお茶であった。
お菓子は、昨日までの「おぼろ月」に変わって「かのこ」のようだ。
実は、2、3日前にも一度、別件でお邪魔したのが、その時に味わった
「おぼろ月」の上品な甘さに完全にノックアウトされていた。
だが、今日のお菓子もほのかな甘さで抹茶の甘みとも高相性だ。
今日は日曜日で客足も多いため、あまりゆっくりとは出来なかった
が、平日の朝か夕方が以降狙い目だろう。近隣にお住まいの方はも
ちろん、ぜひ都内にお住まいの方にも小旅行気分で足を運んで頂き
たいお店だ。
このお店を尋ねる傍ら、周辺に散策コースか何かあるかは分からない
が、それでも頭上や足下に目をやれば、どこかしこに花が咲き、木の
温かさを感じさせるこの場所は一度は尋ねてみる価値があると思う。
近隣にもこうした店ができないかなと思いながらもこうした味わいの
ある建物を生み出すには年期と忍耐がかかることを改めて思い知らさ
れた。
今日もまた幸福なお茶を味わうひと時を与えてくれた「楽風」さんに感謝。